朽木誠一郎 原知恵子2025年12月29日 12時40分「子どもが挟まれた」と通報があったスキー場=2025年12月28日午後2時すぎ、北海道小樽市朝里川温泉1丁目、原知恵子撮影 北海道小樽市の朝里川温泉スキー場で5歳の男児が屋外のエスカレーターに巻き込まれて死亡した事故。当時、緊急停止装置が作動しなかったことが関係者への取材でわかった。警察は29日、朝から停止装置の作動状況などを確認。業務上過失致死容疑も視野に、安全管理体制を調べている。 事故は28日午前10時ごろ発生。駐車場からレストランなどが入る休憩施設(センターハウス)に向かうコンベアー式の移動用エスカレーターの降り口で、札幌市東区の後藤飛向(ひなた)さん(5)が転倒。ベルトの巻き込み口に右腕を挟まれた。飛向さんは、救助後、搬送先の病院で死亡が確認された。 関係者によると、現場に設置されたコンベアーは、巻き込みを感知すると非常停止装置が作動する仕組みになっていたが、事故当時は作動せず、飛向さんの母親が緊急停止のスイッチを押して止めたという。 「スノーエスカレーター」などと呼ばれ、他のスキー場でも広く使われている。 3基を設置する道央のスキー場では、リフトに乗れない初心者が練習用の緩やかな斜面を登るための「リフト代わり」で使っている。使用時は、乗降地の両方にインストラクターを配置。手助けのほか、緊急時に即座に停止させる役割も担っているという。 小樽の事故を受け、すぐに自施設の設備の再点検やオペレーションの再確認を実施。スタッフにも事故情報を共有し、注意喚起をしたという。 10年ほど前まで設置していたという別のスキー場も使用時は従業員を配置していた。担当者は、「乗り降りの際にはトラブルが起こりうる。リフトやゴンドラの運営と考え方は全く同じ」と話した。 別のスキー場も、転倒リスクが高い「降り場」を最優先に、最低1人は人員を配置している。「屋外では屋内よりもトラブルに気づきにくい。安全面はもちろん、お客さまに不便をかけないためにも人員は必要。自分の認識からすると、『近くに誰もいない』という状況は大きな懸念がある」と語った。 そしてこう続けた。 「リフトならば国土交通省の管轄で、厳格な基準や点検などが義務付けられている。一方、スノーエスカレーターはどこの官庁の(法的な)網にかからない。安全対策のレベルは、事業者側の判断にゆだねられている」 冬休み期間中ということもあり、同日、スキー場には、朝から多くのスキー客が詰めかけた。現場付近では、スキー場の職員が手を合わせる姿も見られた。 スキー場近くで働く60代の男性は、「このスキー場は、スキー研修でたくさんの子どもたちが利用する。二度とこんなことが起きないようにしっかり調べて、対応してほしい」と話した。こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ12月29日 (月)ニュースの要点はお休みです12月28日 (日)ニュースの要点はお休みです12月27日 (土)ニュースの要点はお休みです12月26日 (金)入学金二重払い 負担軽減方針ハローワークの9割超にノルマ無痛分娩普及率、6年連続上昇トップニューストップページへ中国軍が台湾周辺で軍事演習を開始 「外部干渉勢力」にも警告と言及12:26トランプ氏とゼレンスキー氏、領土問題で結論出ず 1月に再び会談へ10:30人は森から奪う、木も戦争に駆り出された マツに残る歴史の「傷痕」12:00ウクライナ戦線抱えながらアジアに空母派遣 英国のやせ我慢と本気度12:00小さなアパート、ひとりがいい 伝統に背いてもここが「マイホーム」10:00「親の受験」と言われる中学受験 保護者の「のめりこみ」防ぐには?11:00