職権消除は「事務的にやっていた」 女児の所在確認を行った記録なし

Wait 5 sec.

朝日新聞連載消された住民票、消えた子どもたち記事有料記事宮坂知樹 岡田真実2025年12月22日 5時01分 小泉旋風が吹き荒れていた。 「改革なくして成長なし」。2001年7月の参議院選挙は小泉純一郎政権の発足後、初の国政選挙だった。 自民党が大勝を収めたこの選挙をきっかけに、大阪府八尾市ではある調査が進んでいた。 始まりは、1軒の長屋に郵送した有権者向けの投票所入場券が、発送元の市役所に返送されたことだった。 返送理由は「宛先不在」。入場券は住民票を基に作成されるため、返送はその人が住んでいない可能性があることを示していた。 長屋には1歳に満たない岩本玲奈(れいな)さんと、その母親が住んでいるはずだった。 「表札等により居住を確認するに至らなかった」大阪府八尾市への情報公開請求で開示された文書。「表札等により居住を確認するに至らなかった」と書かれている。 朝日新聞の情報公開請求で八尾市が開示した資料には、返送をきっかけに所在調査が始まり、市が2人について一つの行政判断を下した経緯が記されていた。 参院選の翌年の02年5月、八尾市は返送された住所地の居住実態の調査を始めた。 玲奈さんの住民票に書かれていた長屋を担当者が訪問した。表札や郵便物を確認したが、2人が住んでいる様子はうかがえなかった。 さらに同年10月、賃貸借契約を結んでいるかを調べたが、家主の回答は「契約をした覚えはない」だった。 大阪府警などによると、このころ玲奈さんと母親は住民票がある家から徒歩10分ほどの別の長屋で、祖父らと暮らしていたという。かつて岩本玲奈さんが暮らしていた大阪府八尾市内の集合住宅。現在は取り壊されている=Googleストリートビューから 市は内部データなどを元にこの生活拠点を見つけ、03年1月、市役所への来庁や転居の届けが必要であることを、母親らに文書で求めた。 文書では、居住実態を住民基本台帳に正しく記録する必要があると忠告していた。 期限までに回答がなければ、職務権限で元の住所が記された住民票を削除するとも伝えていた。 「職権消除」という手続きで、行政による適切な住民サービスのほか選挙や納税のため、住民基本台帳を正確にする目的で行われる。 住民基本台帳法8条に規定され、台帳の住所に居住していないことが確認されれば、市区町村が職務権限で住民票を削除できるというものだ。祖父「2人はどこかに行ってしまった」 市からの文書を受け、玲奈さんの母親とともに市役所を訪ねた祖父は、市の担当者にこう伝えた。 「2人は自宅にいる。(玲奈…関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ12月22日 (月)国籍取得 居住「10年以上」に台湾有事 フィリピンに危機感働きアリに「女王殺し」誘導12月21日 (日)中央アジア5カ国と初首脳会合闇バイト保護 1年で544件琵琶湖の中から「幻の城」12月20日 (土)日銀が利上げ決める来年度の与党税制大綱を決定首都直下地震 新たな被害想定12月19日 (金)「年収の壁」178万円に山上被告に無期懲役を求刑スマホ新法施行、決済自由にトップニューストップページへパンダ再来日で中国に働きかけは「必要ない」70% 朝日世論調査21:35外国人の日本国籍取得、来年中に要件厳格化 永住許可に日本語能力も5:00高校の「数学」再編へ AIの学び重視しA、B、Cの区分なくす方向5:00村上宗隆、ホワイトソックスと契約合意と米報道 2年約53億円1:55再稼働、周辺自治体の同意も必要だ 「原子力発祥の地」前村長の提言5:00「消えてしまいたい…」20代で円形脱毛症 私を救ってくれたのは16:00