毎日新聞 2025/12/22 05:31(最終更新 12/22 05:31) 有料記事 3966文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷ミャンマーのヤンゴンを歩く兵士たち=2021年2月28日、ロイター 内戦状態が続くミャンマーで、軍事政権が近く総選挙を実施しようとしている。2021年のクーデター後、初めて迎える選挙は、どんな意味を持つのか。ミャンマー情勢に詳しい京都大学東南アジア地域研究研究所の中西嘉宏教授に聞いた。 <前編の主な内容> ・壊れた憲法秩序と「正当性」をめぐる論理 ・軍が描く「民政移管」の実像 ・中国が選挙を支える理由 ・選挙は混乱を終わらせるのか <後編はこちら> 傍観者でいいのか 中国に傾くミャンマー、日本に求められる視点壊れた憲法秩序と「正当性」をめぐる論理 ――ミャンマーで12月下旬から総選挙が予定されています。軍事政権にはどのような狙いがあるのでしょうか。 ◆ミャンマー軍は2021年2月にクーデターで実権を握った当初、1年で新しい政権をつくる工程表を描いていました。アウンサンスーチー氏を中心とする民主化勢力を排除したうえで選挙を実施し、国軍寄りの政権を発足させる構想でした。 しかし、市民の抵抗や武装闘争が広がり、一部の少数民族武装勢力も加わって混乱は深まりました。その結果、ミンアウンフライン軍最高司令官に国家の三権掌握を認める非常事態宣言は、当初の想定を超えて長期化しました。 昨年から軍は選挙に向けた動きを本格化させました。政情不安が解消されず、内戦も続くなかで、選挙を強引に推し進めようとしています。その狙いは当初から変わらず、軍寄りの政権を成立させ、クーデターを既成事実化することにあります。軍が描く「民政移管」の実像 ――限られた勢力だけが選挙への参加を認められる一方、紛争が続き、投票を実施できない地域も少なくありません。 ◆軍は自分たちの行動を「正当な手続きを踏んでいるだけ」だと考えているのでしょう。外から見ればそうは思えませんが、当事者はそう認識しているわけです。 ミンアウンフライン最高司令官は選挙に立候補していません。ただし、大統領は議員である必要がなく、連邦議会議員の投票で選出されるため、最終的に大統領に就任するとみられています。 非常事態宣言下の最高指導者から「新政権」の大統領になることで、独裁をより強固なものにしようとしています。 クーデター前は、軍に有利な2008年憲法のもとでも、民主化勢力と国軍との共存がかろうじて成り立っていました。 しかし、クーデターによって憲法が持つ共通のルールとしての機能は破壊されました。選挙以前に、選挙を規定する憲法の正当性自体が疑わしい状態にあるのです。疲弊する社会と、それでも残る期待 一方で、混乱が5年近く続き、ミャンマーの市民は疲弊しています。経済悪化や電力不足、物…この記事は有料記事です。残り2876文字(全文3966文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>