毎日新聞 2025/12/25 09:15(最終更新 12/25 09:15) 1076文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷世界核被害者フォーラムで講演する下本節子さん=広島市中区で2025年10月6日午前9時27分、井村陸撮影 太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁で米国が1954年3月に行った水爆実験で、父が乗っていた漁船が被ばくした下本(しももと)節子さん(75)=高知市。「被ばくした船員を国が長年放置していたことを知ってもらいたい」との思いで各地に講演などに出向いている。10月に広島市で開かれた「世界核被害者フォーラム」で登壇し、核兵器のない未来の実現を訴えた。 下本さんの父、大黒(おおぐろ)藤兵衛(とうべえ)さんは、高知県室戸市のマグロ漁船「第七大丸(だいまる)」で無線士を務めていた。下本さんが小学生だった60年に突然父は漁船員をやめたが、理由は聞かされなかった。Advertisement 事のいきさつが分かったのは事件から50年後の2004年、地元で行われた高校生による展示などがきっかけだった。父は54年3月にビキニ環礁周辺で、乗っていた漁船が操業中に被ばくしていた。父は60歳の頃に胃がんと診断され、晩年には胆管がんも患い、78歳で亡くなった。 ビキニ事件では、静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の船員が放射性降下物「死の灰」を浴び、半年後に1人が死亡した。米国側は55年、法的な責任が問われない「見舞金」を支払うことで政治決着したが、周辺で創業していた日本漁船の被ばく状況は長く明らかにされなかった。日本政府は2014年になってようやく当時の検査記録の存在を認め開示した。「黒い雨訴訟」の原告集会であいさつをする下本節子さん=広島市中区で2025年10月7日午前11時46分、井村陸撮影 高知の元船員や下本さんを含む遺族らは16年に国家賠償請求訴訟を起こした。請求は棄却されたが、判決は第五福竜丸以外の船でも船員の被ばくはあったと認め、国に対応を促した。20年3月に救済などを求める訴訟を新たに起こし、高知地裁と東京地裁で係争中。下本さんが原告団長を務めている。 下本さんはこれまで米ニューヨークやマーシャル諸島などを訪問した。各地で「ビキニ事件で被害を受けた船員は、何も知らずに病気になり、苦しみ続けてきた。多くの人にそうした実態を伝え、グローバルヒバクシャに目を向けてほしい」と訴えてきた。 10月のフォーラムでは、マーシャル諸島からの参加者と、カザフスタンの核実験被害などを研究する専門家とともに登壇した。「被害を繰り返さないため、核兵器をなくしていかなければならない」と語った。 下本さんはフォーラム閉幕の翌日、広島地裁で、原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びた住民らが被爆者健康手帳申請の却下処分取り消しなどを求めている訴訟の口頭弁論を傍聴した。閉廷後に開かれた原告団の報告集会で「『黒い雨』もビキニ事件も同じ内部被ばくで共通している。連帯して頑張りましょう」と呼び掛けた。【井村陸】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>