有料記事丹治翔2025年10月5日 10時00分大阪メトロ中央線の運転見合わせにより、東ゲート前で生じた滞留によって右足首の骨折事故にあった女性。全治3カ月と診断され、自宅での移動にはキャスター付きのいすが欠かせなくなった=2025年9月15日午後5時14分、横浜市、丹治翔撮影 地下鉄が止まり、大阪・関西万博の会場で3万人超が帰宅困難になった8月13日の夜、横浜市の女性(49)が出口付近の混乱の中で転倒し、右足の骨が折れる重傷を負った。 万博を主催する日本国際博覧会協会はこれまで、来場客の滞留によって「結果として大きな事故は起きていない」としている。女性の骨折については、取材に「個別事案の回答は控える」とコメントした。 朝日新聞の取材に応じた女性によると、女性は万博会場の東ゲートから退場し、最寄りの夢洲駅に向かっていたが、密集状態で身動きが取れなくなった。午後10時過ぎ、体調を崩したため、列を離れて救護を求めていた際、混乱状態の中、他の客に体を押されて転倒した。大阪メトロ運転見合わせ数分後の東ゲート外の様子。夢洲駅への入場が制限されるなか、ゲートからの退場者は増え続け、現場はすし詰めになった=2025年8月13日午後9時35分、大阪市此花区、女性提供 一緒にいた息子(14)が119番通報し、救急搬送された大阪市内の病院でX線撮影をすると、右足首の複雑骨折が判明。1週間後に手術を行った横浜市内の病院で「右足関節骨折」による全治3カ月の重傷と診断されたという。 女性が後日、万博協会に当時の状況を説明すると、協会の会場運営局から9月上旬、事故原因が他の来場者に押されたことに加え、現場が駅への移動ルート外だったとして「協会に責任が生じるものではない」とメールで返信があった。協会は賠償には応じられないとの姿勢を示す一方で、けがに対する見舞金5万円に加え、「今回の状況を鑑みて」大阪でかかった治療費約3万円の支払いは可能と説明しているという。骨折事故後に万博協会から届いたメール。「協会に責任が生じるものではないという結論に至りました」という説明があった=2025年9月15日、横浜市、丹治翔撮影 協会は運転見合わせ後に生じた救急搬送は36件あったと公表している。女性側に対し、このうちの1件が女性の搬送だったとメールで伝えたという。 停電による運転見合わせは8月13日午後9時28分、大阪メトロ中央線で発生した。中央線は人工島にある万博会場への唯一の鉄道路線で、大阪メトロは停電発生時、中央線を利用して会場から帰ろうとしていた来場者は約3万8千人にのぼったと推計している。帰宅できず、会場内で一夜を過ごした人もおり、すべての来場者が会場を出たのは翌14日午前6時55分だった。人工島にある万博会場すし詰めになった東ゲート前 大阪・関西万博の会場周辺に帰宅困難者があふれたあの日の夜、現場では何が起きていたのか。右足首に複雑骨折を負った女性(49)の証言からたどる。 女性と息子(14)は8月13日午後9時15分ごろ、東ゲートから会場の外へ出た。ゲート前の広場には、夢洲駅への列が幾重にもできていた。 異変が起きたのは、15分ほ…この記事を書いた人丹治翔ネットワーク報道本部|双方向企画担当専門・関心分野メディア・SNS、スタートアップ、人口減社会2025大阪・関西万博2025年4月13日に大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)が開幕しました。関連のニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月5日 (日)高市早苗氏が自民党新総裁にハマス、条件付きで合意動画生成AI、修正へ10月4日 (土)自民党総裁選 きょう投開票インフルエンザ 流行期入りコメ4キロでの販売広がる10月3日 (金)「反軍演説」議事録 復活案浮上国勢調査 同性カップル数えず外来タヌキ ウミガメを襲う10月2日 (木)NHKのネット利用が「有料化」米政府機関が一部閉鎖に東京都、無痛分娩の助成開始トップニューストップページへ自民幹事長に鈴木俊一氏、副総裁に麻生氏で調整 7日にも党人事固め5:00台風22号が小笠原近海で発生 今後西へ、強風や高波などに注意8:09イスラエル人指揮者の公演中止 「反ユダヤ主義」と批判広がったわけ6:00万博足止め、救護求めた女性骨折 見舞金払う意向の協会「責任ない」10:00「一杯目から泡盛で」 オリオンビールの生き字引が見た買収と上場10:00小説家、90歳のひとり暮らし 妻が言った「おじいちゃん、大好き」9:00