27歳のチンパンジー 引っ越しを迫られた動物園の切実な事情

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毎日新聞 2025/10/6 12:00(最終更新 10/6 12:00) 有料記事 2125文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷ガラス越しにレンズを見つめるチンパンジーのナナ=広島市安佐北区の安佐動物公園で2025年6月23日、佐藤賢二郎撮影 広島市安佐(あさ)動物公園(同市安佐北区)で生まれ育ったチンパンジーのナナが6月下旬、多摩動物公園(東京都日野市)に引っ越した。 ナナは1998年、世界初の凍結精子による人工授精で誕生。繁殖に力を入れたが妊娠、出産には至らなかった。 チンパンジーの寿命は40~50歳で、野生では12歳前後で群れを離れて子育てをすると考えられている。 現在27歳のナナは、なぜこのタイミングで引っ越す必要があったのか。人工授精で希少血統を受け継ぐ 「もう会えないと思うと悲しくて」 ナナが安佐動物公園を出発する前日、飼育施設前にはお別れに来たファンたちの姿があった。幼い頃からナナを見守ってきたという女性は、カメラを手に涙を流しながらシャッターを切っていた。 ナナは、英国出身の父フレッド、アフリカ出身の母ナオコの間に生まれた。安佐動物公園は自然交配を目指したが、97年10月にフレッドが病死してしまう。 動物は同じ種でも、生息域によって形態や生態などの特徴を共有する集団ごとに分類できる場合がある。 こうした集団を「亜種」という。チンパンジーは、四つの亜種に分類できるとされている。 フレッドは「西チンパンジー」という亜種で、その中で珍しい血統だった。 これを残すため、死後にフレッドの精子を採取してナオコに人工授精させることに。98年7月、ナナが誕生した。コミュニケーション学べず ところが、出産の5日後、ナナを一度も抱くことなくナオコも死んでしまった。貴重な血統を受け継いだナナは約1年間、飼育係と獣医に育てられた。 野生のチンパンジーは群れで生活する。その中で、毛繕いをして互いに親愛の情を示す「グルーミング」などのコミュニケーションを学んでいく。 生まれてすぐに両親が死に、長く人間に育てられたナナは、他の個体との生活が苦手でコミュニケーションを十分に学べなかった。 99年、生後10カ月となったナナの将来のパートナー候補として、サンボウが安佐動物公園にやってきた。 しかし、マッチングは不調に終わってしまう。 出産当時の飼育担当だった茶村真一郎さん(75)は「人工哺育の長さが繁殖に影響したかもしれない。もっと早く他の個体と同居させられればよかったが、何かあったらと思うと踏み切れなかった」と振り返る。 結局、サンボウは安佐動物公園で飼育している別の雌、ミキとのマッチングに成功。相次いで2頭の雄が生まれた。 その後も、ナナのパートナー探しはうまくいかないまま現在に至る。飼育頭数は減少傾向 その背景には、繁殖の厳しい状況がある。…この記事は有料記事です。残り1062文字(全文2125文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>