有料記事松浦祐子 グラフィック・山市彩2026年3月5日 8時00分 「嫌な季節がやってきた」と感じている人も多いのではないでしょうか。花粉症にかかっている人の割合は全国で4割とも言われ、まさに「国民病」です。まき散らされる花粉の被害を少しでも減らすには――。予測と対策の最前線を探りました。患者が増えたのはここ60年間ほど 生産性の低下や経済損失も 目がかゆくて取り出して洗いたくなったり、くしゃみが止まらなくて頭がぼーっとしたりする花粉症。仕事や勉強の効率が下がるほか、つらくて眠れなくなると、生産性が下がるだけでなく、外出できずに個人消費が減少するなど経済損失も引き起こす。 日本人の多くを苦しませている花粉症だが、その被害が顕著になったのは、ここ60年間ほどだ。 花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が、くしゃみや鼻水、鼻づまりといったアレルギー症状を引き起こす病気だ。 国内で初めて患者が報告されたのは1961年。原因はブタクサで、3年後にスギ花粉症の患者が報告された。 その後、日本ではスギによる花粉症の患者が急増していく。 全国の耳鼻咽喉(いんこう)科医とその家族を対象とした全国調査によると、患者数は、98年には約2割だったが、2008年には約3割に。19年には約4割になった。 背景にあるのが、日本の国土の7割を占める森林の変化だ。 第2次世界大戦が終わり、復興が始まるころまで、日本人は森林から建材だけでなく、炭や薪といった燃料も得ていた。高度経済成長が始まると、石油やガスが普及して燃料としての利用は減ったものの、スギやヒノキといった成長が早い針葉樹は建材として期待され、広葉樹に代わってどんどん植えられた。 1940年代末に約500万ヘクタールだった人工林は、いまや約1千万ヘクタール。うち約4割をスギが占める。 その後、外国から安い木材が輸入されるようになって国内の林業が低迷すると、スギは大半が伐採されないままになった。 スギは、樹齢が20年を超えるころから花粉を多く飛ばす。国内の人工林はいま、花粉をめいっぱい飛散させるスギで満ちている。 環境省と林野庁は全国約1千カ所のスギ林で毎年11~12月、花粉を生産する雄花の数を調べ、公表している。調査員が樹齢25~60年ほどの40本を選び、双眼鏡で観察。雄花の色づき具合から、1平方メートルあたりの雄花量を推定する。 2025年度に最も多かったのは、大阪府河内長野市鳩原のスギ林で、1平方メートル当たり2万7522個だった。次いで、静岡県掛川市東山が2万3602個、京都府南丹市園部町高屋が2万3340個と続いた。 河内長野市は、古くから良質な木材が生産されることで知られ、河内林業地と呼ばれてきた。 スギやヒノキなどの人工造林が始まったのは約300年前。市内の森林の7割超が人工林だ。 しかし、スギが多いからと言って、必ずしも花粉が多いわけではないという。市自然資本活用課林政グループの担当者は「花粉の飛散がひどいという話は、市民からも聞いたことがない」と話す。 どういうことなのか? 民間気象会社「ウェザーニュ…【スタンダードコース|デジタルのみ】今なら4カ月間月額200円で読み放題/再入会は500円!詳しくはこちら【ダブルコース半年割|宅配購読者限定】今だけ超特価!はじめの4カ月間は月額100円!詳しくはこちらこの記事を書いた人松浦祐子デジタル企画報道部|データジャーナリズム専門・関心分野介護、医療、地域包括ケアシステム、認知症山市彩デザイン部|デザイナー専門・関心分野文化、芸術、ジェンダー関連トピック・ジャンル