2026年3月17日 14時07分黒田早織不妊手術を禁じた母体保護法は違憲だと訴えた訴訟で、判決の日に東京地裁に入る原告ら=2026年3月17日午後0時48分、東京・霞が関、黒田早織撮影 「産まない体」になるための不妊手術を原則禁止した母体保護法は、生殖に関する自己決定権を侵害しており憲法違反だとして、20~30代の女性5人が国を訴えた訴訟の判決で、東京地裁(鎌野真敬裁判長)は17日、同法の規定は「憲法に違反しない」と判断した。そのうえで原告らの賠償請求などを退けた。 ただ、判決は、不妊手術の要件について「法律の目的に照らして合理性に乏しいことから、制度のあり方については適切な検討が行われることが望まれる」と付言した。 母体保護法は不妊手術の要件として、妊娠や出産が生命に危険を及ぼす(生命危険)か、数人子どもを産んでいる(多産)ことに加え、夫の同意(配偶者同意)を必要としている。 原告らは、未婚だったり子どもがいなかったりして要件を満たさないため、国内で不妊手術を受けられない。「産まないという選択を国が制限するのはおかしい」として、個人の尊重を定めた憲法13条などに違反すると主張した。 そのうえで「原告らは不妊手術を受けられる地位にある」という確認のほか、「国が問題点に気づきながら法律を改めなかったことで精神的苦痛を受けた」として慰謝料などを求めた。 訴訟で国は「不妊手術を受ける権利は憲法で保障されるものではない」と主張した。不妊手術の規制について「子を持たないという自己決定権を制約しているとしても、他の避妊手段があるのだから問題ない」「手術を受けると後悔する場合がある」などと指摘。規制は正当であり憲法違反ではない、と強調した。 母体保護法のルーツは、戦時中の1940年に制定された「国民優生法」にある。兵力と労働力を確保するための「産めよ殖やせよ」の思想のもと、中絶も不妊手術も原則禁止とされた。 戦後の48年、国民優生法は「優生保護法」に改正された。人口増加を抑えて「質」を保つためとして、障害者への強制不妊手術を広く認めたほか、障害のない人が自ら望んで行う不妊手術について、配偶者同意や多産の要件を設けて原則禁止とした。 96年、強制不妊手術に対して国内外で批判が高まったことを受け、旧優生保護法の強制不妊手術の規定は削除され、「母体保護法」に改正された。この時、女性団体などからは、自ら望む不妊手術の規制も廃止すべきだとの声もあがった。しかし、国会でほとんど議論されないまま母体保護法への改正が実現し、現在まで規制が残り続けている。【スタンダードコース|デジタルのみ】今なら4カ月間月額200円で読み放題/再入会は500円!詳しくはこちら【ダブルコース半年割|宅配購読者限定】今だけ超特価!はじめの4カ月間は月額100円!詳しくはこちらこの記事を書いた人黒田早織東京社会部|裁判担当専門・関心分野司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケア関連トピック・ジャンルこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ3月17日 (火)沖縄・辺野古沖で船2隻が転覆親子3人殺害 被告に無期懲役ミラノ冬季パラが閉幕3月16日 (月)WBC 日本、準々決勝で敗退バンクシーの正体を特定「ホルムズ海峡に船舶を」3月15日 (日)JR東日本、運賃値上げイランの石油輸出拠点を爆撃WBC、きょう準々決勝3月14日 (土)「国家情報会議」設置へイラン、徹底抗戦の姿勢新しい自転車? 実はバイクトップニューストップページへ9階から「転落」した女性 殺人罪で夫を起訴 5年越し「異例捜査」13:33京アニ事件死刑囚、控訴取り下げの内幕 「スピッツのチェリーが」10:16辺野古沖2人死亡事故 高校会見「驚きと悲しみに耐えがたい気持ち」13:41アフガン首都で空爆 「病院破壊され、400人死亡」タリバンが発表12:13オバマ氏と対面の森重昭さん死去 「原爆の悲劇に国境はない」と訴え11:30「私より早く死んで」法廷で泣いた母 勝訴しても、水俣病は治らない8:00