朝日新聞記事小林裕子 鈴木裕 兼田徳幸2025年9月27日 7時00分地下駐車場「くすの木パーキング」を視察する有識者委員会の川口淳委員長(手前右から2人目)=2025年9月26日午前9時35分、三重県四日市市、小林裕子撮影 三重県四日市市が記録的な大雨に見舞われてから2週間。地下駐車場「くすの木パーキング」が水没した問題は26日、国土交通省が設けた有識者委員会が立ち上がり、復旧や再発防止に向けて動き出した。車用の出入り口に設置されていた防水扉の故障が3年半余り放置されてきたことが明らかになり、車の浸水被害に遭った人からは「人災だ」との声も上がり始めた。 故障を把握しながら必要な対策を講じていなかったとして、委員会の冒頭に謝罪した国交省。委員会後、三重河川国道事務所の伊藤秀則副所長が報道陣に経緯を説明した。 説明によると、管理運営を担うタイムズ24の子会社からの連絡で故障を知ったのは2021年12月。翌22年1月に両者で打ち合わせの場を持ったが、修繕などには到らなかった。 伊藤副所長は「修繕の役割分担が協議中だった」と釈明した。 通常は日常的な修理や1次修繕が管理運営事業者側、大規模修繕が国という分担で、12年に故障が見つかった際は修繕したという。協議を3年以上? 実は打ち合わせ1回限り 伊藤副所長は、22年1月の打ち合わせの際、「日常的な維持管理の方法やあり方について問題がなかったかというところも(タイムズ側に)指摘させていただいた」と明らかにした。どちらが修繕を担当するか折り合いがつかなかったとみられる。 ただ、故障の程度や当時の具体的な経緯については「事実を確認させて頂きたい」と繰り返した。現在確認できる範囲では、打ち合わせはこの1回限りだったとしている。 維持管理に関する国交省からの指摘について、タイムズ側は取材に対し、「事実確認中の事項もございますが、当社として、維持管理業務実績につき月報にて報告しています」とコメントした。 車の浸水被害にあった人たちは、どう受け止めるのか。 通勤で月ぎめ利用していた飲食店員の50代男性は「国交省は安全を第一にする役所だと思っていたのがイメージが崩れた。さすがにひどい……」と絶句。「最初は天災かと思ったが、今は人災だと思っている。関係先に補償を求めていきたい」と話した。 この日スタートした有識者委員会は、川口淳・三重大大学院工学研究科教授を委員長に、県や四日市市の担当者、駐車場の管理運営会社の役員ら9人で構成。復旧手順や大雨への対策などを検討する。 この日、駐車場で被害を受けた車両や排水ポンプ、止水板などを視察した川口委員長は「一日も早い復旧、安全性を担保したうえでの施設の再開に向けて一致団結して検討していく」と語った。この記事を書いた人小林裕子津総局専門・関心分野文化、暮らし、教育鈴木裕四日市支局長専門・関心分野地方行政、教育、地方経済関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月27日 (土)南海トラフ確率 異例の併記小泉氏 書き込み依頼認めるふるさと納税、駆け込み需要9月26日 (金)JICA「ホームタウン」撤回AI軍事利用に各国が規制要求「国宝」異例ずくめの大ヒット9月25日 (木)自民総裁選、低調な論戦デジタル教科書 正式導入へ台湾、台風で17人死亡9月24日 (水)旧統一教会の韓総裁を逮捕TikTok米国事業買収へ出回る「おもちゃ」の銃トップニューストップページへ投稿依頼めぐり小泉氏陳謝 「エセ保守」の文言も 選挙情勢に影響か18:50「アルカイダに国与えるようなもの」 ネタニヤフ氏、国家承認を批判2:40「引き続き力尽くしたい」 職員とホテル密会の前橋市長、続投に意欲21:40ぶっちぎり優勝支えたトラのお兄ちゃん 「一番大変」な打順での献身6:00「ママ友」そろそろやめませんか 言葉と関係性にジェンダー的違和感7:00われわれ-ネアンデルタール人=? 遺伝子で迫る人類学「最大の謎」5:00