毎日新聞 2025/9/27 07:15（最終更新 9/27 07:15） 1408文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷県庁前で第一声を発する遠藤雄大さん。左腕には選挙運動員用の腕章を自ら巻いた＝福島市杉妻町で2025年7月3日午前10時39分、田倉直彦撮影 7月20日投開票の参院選福島選挙区（改選数1）で、同3日の公示当日に出馬を表明した候補がいた。福島県職員を自動失職した遠藤雄大さん（40）。ポスターも選挙カーもなく、選挙戦の常識を無視した文字通り「独自の戦い」を挑んだ。結果は大差での落選だったが、獲得した2万6632票は政治団体「NHK党」公認候補にダブルスコアの差を付けた。「得たものは大きかった」と振り返った、その得たものとは。 「安全・安心な社会の実現を目指します。（東京電力福島第1原発事故の影響を受ける）福島の農業の復旧復興に取り組みます」Advertisement 7月3日午前10時半過ぎ。立候補を自ら届け出て、古巣の県庁前で第一声を発した。左腕には選挙運動員用の腕章を自ら着けた。話を聞いているのはほぼ報道陣のみだった。 そして、街頭演説を行ったのはこの日と、選挙運動最終日の19日の2回だけ。「何も持たない弱者の戦略として、最終日に全てをぶつけよう」と考え、その間は異例の「選挙運動」に専念した。 それは「落ち着いた環境で作業ができる」と福島市内のホテルの一室にこもり、米グーグルの生成人工知能（AI）「ジェミニ」を「相棒」と名付けて公約を作成すること。「安全・安心な社会の実現」「農業の振興」などの大きな柱から、それを具体化するにはどのような政策がいいかの質問を「相棒」に投げ掛け、固まった公約をX（ツイッター）で発信していった。「参院選に出馬して得たものは大きかった」と語る遠藤雄大さん＝福島市置賜町で2025年8月14日午前10時55分、錦織祐一撮影 「事務所も後援会もなく、ポスターは時間的に間に合いませんでしたので、それらはもう捨てようと。若年層とそのちょっと上の層に届く発信を重視した」という。ただ、Xのフォロワーは60人ほど。「全くの無視はされなかったな、という程度の手応えでした」と明かす。最終日にJR福島駅東口で行った街頭演説も、聴衆はほとんどいなかった。 それだけに、2万6632票も獲得したのは「でき過ぎ。感謝しかありません」と驚く。それだけの有権者が遠藤さんの挑戦を支持したことについては「今までの人生で2万人強の県民の方々にお会いしたことはないので、不思議な感じがします」と正直に吐露する。株式投資などでためた金で支払った供託金の300万円は没収されたが「それ以上の価値はあって、費用対効果は高かった」という。「県職員として見てきた行政の矛盾や限界を発信できたし、どのような社会課題があって、どう解決すればいいかの、これから何をすべきかの方向性が見えました」 12年間勤めた県庁では「現場で農家や関係者から聞く生の声を、上層部にはなかなか届けられなかった。PRや情報発信も弱く、せっかくの政策が十分に効果を発揮しないことも多かった」と振り返る。自分が政策決定の場に立つしかない――と以前から考えていたといい、参院選公示直前に出馬を決めた。 選挙戦を体験して「ありとあらゆることが古いと感じた。組織戦が中心で、個人の能力や政策が有権者に届きにくい」と感じたという遠藤さん。今後は、設立した合同会社での投資や経営コンサルティングなど通じて「若い世代が『失敗してもまた再挑戦できる』と思える心理的安全性を持てて、どんどん挑戦できる福島をつくりたい」と意気込む。【錦織祐一、田倉直彦】えんどう・ゆうだい 福島県いわき市出身。磐城高、玉川大農学部、東京農工大大学院卒。2013年に福島県庁に入り、県農業総合センター分析課副主査などを務めた。サッカーJ2いわきFCのファン。あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>