富山の交番襲撃事件 警察の対応、違法性認めず 遺族の賠償請求棄却

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有料記事佐藤美千代 砂山風磨 椎木慎太郎2025年9月30日 7時00分判決後に会見する中村信一さんの妻=2025年9月29日、富山市長柄町3丁目、砂山風磨撮影 富山市で2018年に交番が襲撃された事件で、付近にいた警備員が殺害されたのは富山県警の初動対応に問題があったためだとして、遺族が県などに約2600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、富山地裁(矢口俊哉裁判長)であった。判決は「警察官らが被害者や住民に警告しなかったことに違法性は認められない」として、請求を棄却した。 事件は18年6月26日午後2時過ぎに発生。富山中央署奥田交番で男性警部補(当時46)が男に刃物で殺害され、交番から約100メートルの小学校で警備をしていた中村信一さん(当時68)が警部補の拳銃で射殺された。元自衛官の島津慧大(けいた)被告(29)が強盗殺人罪などに問われ、地裁での差し戻し審の手続きが進んでいる。 今回の裁判では、交番にいた相談員が110番通報をし、中村さんが撃たれるまでの約17分間の県警の対応が焦点となった。最初の通報時に県警通信指令課の指令官が離席していたことや、拳銃を奪われたと気づいたのが警察官が到着してから7~10分後だったことが判明した。事件のあった奥田交番を調べる捜査員ら=2018年6月26日午後7時30分、富山市久方町、飯塚晋一撮影 遺族側は、通報内容などから県警は男が拳銃を持っていると認識し、警告ができたなどと主張。県側は、無差別殺傷のような事態が起きていたわけではなく、住民らに具体的な危険が切迫していると認識できなかったと反論していた。 判決は、中村さんに具体的な危険が迫ったのは警察官と誤認されて撃たれたころだと判断。警部補が殺され、拳銃が奪われた実態を「より迅速かつ正確に把握した上で住民らに何らかの警告を発することが全く不可能であったとまではいえない」としつつ、そのような対応は「現実的ではない」と述べた。 遺族は21年6月、島津被告と県を相手取って提訴。反論しなかった島津被告については請求全額の支払いを命じた22年3月の判決が確定している。「安全安心を警察に委ねられない」 遺族の思いは 富山市の交番襲撃事件で夫が亡くなったのは、富山県警の対応に問題があったからではないか――。そう問い、損害賠償を求めて富山地裁に訴えた女性に29日、請求棄却の判決が言い渡された。女性は「県警の言い分をなぞった判決だ」と声を震わせた。 事件では、富山中央署奥田交…こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月30日 (火)金1グラム 史上初の2万円突破チェック体制に「規定なし」日産 マリノスの株売却検討9月29日 (月)コカ・コーラが200円に国連のイラン制裁すべて復活消えゆく言葉「御苦労様」9月28日 (日)米、医薬品に追加関税100%配達員 オートロック解錠可に石川県の面積、増える9月27日 (土)南海トラフ確率 異例の併記小泉氏 書き込み依頼認めるふるさと納税、駆け込み需要トップニューストップページへトランプ氏、ネタニヤフ氏と停戦案で合意 ハマスが拒めば戦闘継続6:18自民党の墨田区議をセクハラで処分へ 女性区議が被害、調査委が認定5:00集団的自衛権行使でも「専守防衛」 防衛省開示文書で検討過程判明6:00返礼品のハンバーグ1日8万個の注文、ふるさと納税「駆け込み」過熱6:00金麦、「第3」からビールに格上げへ ブランド名変えず一新「奇策」17:00都会のビジネスパーソンは地方で生まれ変わる 生き方考え直す契機に7:00