毎日新聞 2025/9/27 11:00(最終更新 9/27 11:00) 有料記事 2201文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷二期作目の稲穂を確認する近藤さん兄弟。一期作目の切り株の栄養状態が、2回目の収量の決め手となる=愛知県東浦町で2025年9月10日午後0時21分、町田結子撮影 米の品薄状態が続く中、1度の田植えで2回収穫する、稲の新たな栽培技術に注目が集まっている。 温暖化を逆手に取った「再生二期作」。国内最大規模の面積で取り組む現場を訪ね、収量や味の違い、課題を探った。【町田結子】 <主な内容> ・「耐える」+「利用」 ・ポイントを捉えた最適解 ・二つの課題 9月上旬、愛知県半田市の「NAO RICE(ナオライス)」の田んぼは、稲刈りが終わったはずなのに青々としていた。 「8月に1回目の刈り取りを終えていて、これは二期作目です」。作り手で会長の近藤志是(ゆきなお)さん(36)が説明してくれた。葉の丈は55センチほどまで伸び、穂が出始めている。よく見ると、根元には薄茶色くなった切り株が残る。 稲は、複数年にわたって生育する「多年生」の植物で、刈った後に放っておけば、切り株から新しい芽(ひこばえ)が出てきて、穂を実らせる性質がある。 この田んぼで成長していたのは、そのひこばえだ。 品種は、高温に強く、味の良さが特徴の「にじのきらめき」。2回目の収穫は11月に予定しているといい、弟で社長の匠さん(33)は「初の試みだから未知数ですが、目指すところは通常の1・5倍の収量です」と期待を込める。「耐える」+「利用」 「温暖化の影響で、一年のうち稲を栽培できる期間は広がりつつある。この環境を利用したのが再生二期作です」 こう説明するのは、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)で、20年にわたって再生二期作を研究してきた主席研究員の中野洋さん(51)だ。2年前、にじのきらめきを使った再生二期作で、画期的とも言える多収生産の技術を確立した。 近年、猛暑で米が白濁したり小粒になったりするなどの高温障害が、生産者の悩みの種になっている。同時に、春と秋の気温が上昇し、従来より早い田植えや遅い収穫が可能になってきた。 新技術は、高温に「耐える」品種の開発が進む中で、「利用する」技術も必要だとの問題意識から確立されてきたという。最適解で収量は1・5倍 再生二期作のポイントは大きく二つ。「苗を植える時期」と「一期作目で刈り取る高さ」だ。 中野さんらの研究チームは2021~22年、福岡県内のほ場で試験栽培を実施。田植えの時期を4月と5月、刈り取る高さを地際から40センチ(高刈り)と20センチ(低刈り)に分けて、収量に及ぼす影響を調べた。 その結果、4月植えで高刈りした場合、一期作目と二期作目の合計は10アールあたり950キロになった。4通りの組み合わせの中で最も多く、通常の一期作の1・5倍の収量を得られることが分かった。 鍵を握るのが、切り株に残るデンプンと糖の量だ。植物のエネルギー源としての役割があり、4月植えが多かった。 株を高く刈ればエネルギー源は多くなるので、葉や穂の数が増え、もみの数も多くなる。このため、近藤さんの田んぼでも、地際から5センチだった刈り取りの高さを40センチまで残したという。 味の違いはどうか。 4月植えの一期作目と二期…この記事は有料記事です。残り953文字(全文2201文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>