有料記事花野雄太2025年9月30日 13時17分「日本国籍があると認めてほしい」と訴える原告の大学教授=2022年12月23日、京都市中京区 結婚してカナダに移り住み、現地の国籍を取得した。11年後、親の介護のため帰国しようとして、日本国籍を失っている事実を知った――。国籍法の規定は違憲だとして大学教授の女性(60)が国を訴えた訴訟の判決で、大阪地裁(横田典子裁判長)は30日、請求を退けた。「立法府(国会)の裁量の範囲を超えていない」と判断した。 女性は東京生まれで、2007年に結婚相手と同じカナダ国籍を取得した。自分の意思で外国籍を取ると「日本国籍を失う」という国籍法11条1項の規定で、日本国籍を失った。がんを患った父の依頼で帰国しようとした18年、現地の日本領事館に長期滞在の相談をして、その事実を知った。 カナダ人として在留資格を得て、現在は京都の大学で働く。日本人としてのアイデンティティーを失い、日本で旅券を更新できず海外出張やカナダへの渡航もできなくなったといい、日本国籍を失っていないことの確認などを訴えていた。 訴訟で原告側は、国籍法の規定が「何人も外国に移住し、国籍を離脱する自由を侵されない」と定める憲法22条に反すると主張。「国籍剝奪(はくだつ)は死刑に次ぐ人権の剝奪で、重国籍を防ぐ目的に照らして厳しすぎる手段」とし、自己決定権を保障した憲法13条にも反すると訴えた。 国側は、憲法は「日本国民」の要件をどう定めるかについて国に広い立法裁量を認めていると反論。海外の自国民を誰が守るかという「外交保護権」の調整や兵役・納税義務の衝突といった「重国籍の弊害」を防ぐ合理的な理由があり、違憲ではないとしていた。欧州で起業、米国で弁護士…同種訴訟は 海外に永住する日本人(重国…この記事を書いた人花野雄太大阪社会部兼ネットワーク報道本部専門・関心分野調査報道、国税こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月30日 (火)金1グラム 史上初の2万円突破チェック体制に「規定なし」日産 マリノスの株売却検討9月29日 (月)コカ・コーラが200円に国連のイラン制裁すべて復活消えゆく言葉「御苦労様」9月28日 (日)米、医薬品に追加関税100%配達員 オートロック解錠可に石川県の面積、増える9月27日 (土)南海トラフ確率 異例の併記小泉氏 書き込み依頼認めるふるさと納税、駆け込み需要トップニューストップページへ自民総裁選、議員票首位は小泉氏、追う林氏、高市氏は3位 朝日調査12:00首都高の清掃業務の入札で談合疑い 公取委、発注元と4社に立ち入り12:28三笠宮家彬子さま、皇族女子で戦後初の当主に 皇族費増も男性の半分12:30コロナワクチン追加接種、半数近くは抗体量が不十分の可能性9:00「2人目の子どもほしい」、過去最低の33% 収入や働き方が壁に12:00マンション「全戸民泊に」 突然の退去要請と残った「3LDK」の謎6:00